ハローワーク 2回目
なんと、以前勤め先でいっしょに働いていたおばちゃんが窓口にいるではないか。
だが、私のことなど覚えていないだろう。
おばちゃんは、しっかりしてそうに見えて少しおっちょこちょいなと ころのある美人だ。仕事でミスをするとその美しい顔をくしゃくしゃにして、謝りまくる。
今もそれは変わらないようで、私の分の処理をする際ミスをしてしまったようですごいパニクっていた。
人って変わらないものなんだなーと思いながらほほえましく眺める。
ミスしたのはおばちゃんなのに、ミスについての謝罪はあとから出てきたかなり若い兄ちゃんだった。大変なんだな、君も。
私は心優しいので笑顔でそこを立ち去った。
求職活動においてハローワークの職員に何かしら相談して帰るということは、コミュ障の私にとってはとてつもなくでかい壁だ。
私は相談などせず帰ろうとしていた。
相談するくらいなら転職サイトで求人に応募する方がハードルが低い。
しかし、帰ろうとする私を引き留める職員のおっちゃん。
「ハンコだけでももらって帰ってよ」